その瞳の夢はなんですか

彼等の望む先のステージを共に見たい

以前推していた彼の話。

※辞めジュの話です。苦手な方はバックをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以前好きだったJr.がいた。

 

彼のことは「担当」ではなく、「推し」だった。

 

 

私なりの定義はこうだ。

彼のことが好き、応援がしたい、現場に行きたいと思ったら担当。

 

彼のことは好き、応援もしたい、でも現場はそこそこでいいと思ったら推し。

 

 

まあ、基本的には担当が居るから、気になる、応援したいと思う子は推しになっていくんだけれども。

 

 

勿論往々にして、「あの子推せるわ〜」ってこともある。だが推しではない。だから熱量としては、【担当>推し>推せる子(好きな子)>他の子】となってくる。推せる子?岸くん。岸くんほんと推せるわ。

 

 

淳太くんは私の担当だ。しかし、淳太くんを担当にする前から、【推し】だったJr.がいた。

 

 

何となく、彼を目で追っていて。

何となく、彼が視線泥棒で。

何となく、彼が好きだった。

 

 

申し込んだクリエも、バックで出ると踏んでいた公演も、取れないならそれでいいと諦めていた。

 

 

彼は以前こそJr.を引っ張る先頭集団に居た。あるJr.番組のレギュラーだったし、毎年のクリエやEXにも名前が載っていた。しかしいつの間にか、隣に居たはずの元シンメとも、大きな差が開いていた。

 

 

何が差を作ったのか、「推して」いただけの私にはわからない。

 

 

思い当たる節が、無いわけではない。

 

ジャニーズWESTのデビューで、関東・関西のJr.の均衡が崩れた。その時にはとっくに、私の担当の座に淳太くんが座っていたのだが、確かな変化がその裏で進んでいたように思う。

 

 

それから退所説が、恒例のように囁かれるようになった。

 

 

いや、雑誌出てるから。載ってるから。ガセ乙。気持ちはこんなものだった。

 

 

少クラにも出なくなった。

かつてはメインでマイクを持って歌っていたはずなのに、グループにも括られず、バックにも呼ばれず。

 

 

それでもM誌のJr.大賞に、きちんと毎年票を入れた。彼を含む括りの子達が、きちんとM誌に名前が載るように。彼らを好きな人達は、ここにいるんだと叫ぶように。

 

 

彼は、程なくして退所した。

 

 

悔しかった。

 

 

本当に、悔しかった。

 

 

会いに行けばよかった。

 

 

1度くらいこの目で彼を見て、応援していると示せばよかった。

 

 

後悔しても後の祭り。

 

彼は今どきの流行りのTwitterなんか開設せずに、しっかり大学を卒業して、海外にでも行ってしまうんだろうと思った。

 

 

いっその事もうそうしてくれ。

 

私の知らないところで、私の知らない、彼だけの楽しい人生を歩んでくれればいい。

 

 

別に歌も踊りも得意じゃないし、少しだけスカした態度で、気怠そうで、調子に乗っていて。

 

 

でも彼がいないとまとまらない、なんだかんだしっかりものの、MCを回すのが上手い人だった。

 

 

グループではなかったけれど、括られていた中では、一番の切れ者だった。彼がいないと、ボケの大渋滞になっていただろう。

 

 

きっと彼に、ジャニーズへの未練は無い。

 

芸能界にも、未練は無いだろう。

 

 

そして少しだけ、そのまま月日が流れた。

 

 

新しいJr.の推しも見つけたし、淳太くんのことは相変わらず好きだし。このままで、いいはずだった。

 

 

彼が突如、Twitterに現れた。

 

 

新しいグループを組んでいた。その中には彼と同時期に退所した、同じ括りだった人も居た。

 

 

あの、踊ることや歌うことに、一切の未練の無さそうな彼が?

 

 

見た景色を疑った。

 

 

私はジャニーズブランドを失ってしまった元Jr.に、ほぼ輝きを感じていない。それくらいジャニーズブランドというものは大きくて、ジャニーズブランドフィルターが彼らを美しく見せている。

 

 

ジャニーズブランドを失った彼に、今更何があると言うのか。

 

 

 

そりゃ、あの気怠そうな感じも、突然真面目になりだすところも、本気でふざけるところも、彼の根本は何も変わってないはず。

 

 

だけれども、私はそんな彼を、「推したい」とは思えなかった。

 

 

惰性でTwitterだけフォローして、大して更新もしない彼のタイムラインを、思い出したように見ることが増えた。

 

 

あまりにも投稿しないものだから、フォローしていることすら忘れるほどだった。

 

 

とりあえず最初のPVだけ見て、ああ、こうして活動しているんだなって。

 

 

きっときちんとお金を出して、何度も通えば認知してくれるはず。

 

 

でも私に、そんなモチベーションはなく。

 

 

なんとなく、流して見る程度で。

 

 

彼がジャニーズを辞めてから、1年が経った。

 

 

 

「ねえ、インストアライブあるけど、行かない?」

 

 

 

友人から、突然声が掛かった。

 

 

彼女はそのグループの、別の子を推しているらしい。

 

 

今更彼を見たところで、とも思ったが、幸いにその日は空いていたので、二つ返事で了承した。

 

 

 

テレビで、雑誌で、円盤で、見ていた彼の立つステージとはほど遠い。ショッピングモールの小さなステージで踊る、彼がいた。

 

 

あのままジャニーズに居たら、間違いなくあの時より埋もれていたと思う。

 

 

でも、大きなステージで踊る彼を知っているからこそ、胸が締め付けられるように苦しくなった。

 

 

 

あ、前よりも歌上手くなってる。

ダンスにキレが出てる。

重心の取り方がしっかした。

でも、相変わらずめんどくさそう。

ちょっと気怠げな、その姿は、本当に変わらない。

MCは暴走で何言ってるかわからないし、結局彼がオチ付けてまとめていて。

 

 

なんだ、あの時のままの、彼じゃん。

 

 

友人が特典会に参加するというので、私も付き合いという建前でCDを買った。

 

 

ハイタッチと個人トーク

 

 

買ってから後悔する。今更、何を話したらいいんだ。

 

 

何を話したらいいかわからないこと、前から陰ながら応援していたこと、初めて今の彼に会いに来たことを正直に言った。結局、上手くは伝えられなかったけれど。

 

 

ハイタッチの時に、「また来てもいいですか」と訊ねた。

いつ来られるかはわからない。もう「推し」ではないし、ましてや「担当」でもない。

 

 

 

「いいよ、またいつでも来て。待ってるから」

 

 

 

誰にでも言う言葉なのはわかっている。

それでも、あの瞬間だけは、彼は私に告げてくれた。

 

 

ありがとうと伝えて、私はその場を後にする。

 

 

ジャニーズに居た頃と、何にも、何にも変わっていない。良い意味で、無変化。歌も踊りも上手くなっていたけれど、彼の根っこの部分はそのままだ。

 

 

 

会ってよかった。会いに行って、よかった。また行くかどうかは、まだ分からないけれども、もしその機会があればその時は……。

 

 

 

 

そういえば、新たに「推し」にしているJr.の子がいると書いた。その子はいつでも全力投球で、彼とは正反対。どちらかといえば、淳太くん似。友人からは「口元が淳太くん」と言われる。目の感じも、淳太くんだと思うんだけどな。

 

 

でも何故だか、彼と誕生日が同じでした。不思議だね。

 

 

 

 

 

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。ちょっとした雑記というか、防備録のようなもので、大した中身はないのに。更にいつもは、もっとテンション違うし。ハハ。中には彼が誰のことを指すか、ピンときた方もいるかもしれません。しかし、あえて此処では名前を出しませんでした。辞めジュだし。

 

 

 

彼の更なる飛躍を、心から祈っています。

 

 

 

2018/09/26追記
新たに「推し」にしていた子が、担当に昇格した続きの話はこちら